姦計の蜜蝋滴らす白夜かな 朝吹 英和
ホルンより飛び出す鼠明易し ☆
パンドラの箱の底より羽抜鶏
その上の田遊びの夜の火照りかな 服部 一彦
貪瞋痴次いで卯の花腐しかな
筍のスカイツリーを抜く日かな ☆
翁草たれを童と呼びつらむ 大津留 直
新緑や終刊号の厚き冊
柿若葉透ける光のジャムの壺 ☆
街灯の運河に揺れて夏柳 小島 文香
薫風の真中にありし乳母車
紅き薔薇一粒残す夜の涙 ☆
亀鳴くや真円描く一滴 石母田星人
陽炎を吸ひこんでゐる空の穴
鯛の鯛くぐり朧を渡りゆく ☆
繭割れてたましひ星とあそぶかな 松本 龍子
死者の貌見てきた貌の蛍かな
ぼうたんの摑んでみれば濡れており ☆
囀りや歓喜の金粉まきちらす 鈴木 浮葉
不可測の嫉妬や著莪の花静か
青嵐や舞ひ上がる宇治鳳凰堂 ☆
たなごころ透かす光のチューリップ ☆ 加藤 直克
燃え上がる若葉を超えて不尽の山
小手毬やくすくす笑うコロポックル
事切れぬ何処かに咲きにゆくように ☆ 加藤昌一郎
紙オムツの吾中に馬鹿穴とか雌捻子
灯して精霊船より疾く遠く
右の手の人差し指に緑蜘蛛 石川 順一
十薬を越えて畑に入る三人かな ☆
庭に居る蜥蜴を見れば歯医者行く
砂の丘繋ぐ手と手の温かさ ☆ 毬 月
夏波の君から先に話し出す
夏蝶のやうな二人となりにけり
転校生柿は若葉となりにけり 石田 桃江
青東風や家の真中に孫立てる
ほの暗き仏間にともる海芋かな ☆
たまゆらの風のかたちや麦の秋 五島 高資
金星が日を横切るや太宰の忌
屋上を甲板として天の川
原則として句稿到着順。 ☆は、五島高資推薦句。
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