俳句スクエア集・平成 24 年 1 月号

通 巻 9 4 号



    龍神の鬚いとほしむ嫁が君         朝吹 英和
    係留を解かれし舟や初御空 ☆
    冬北斗心の轆轤廻しけり


    メタセコイア燃えては対す衛士の昼 ☆   服部 一彦
    陵の禁飲食の氷雨かな
    烏瓜人に知られて食へぬなり


    湯ざめして皆既月食見とどける       加藤 直克
    寒林を日脚のごとく駆け抜ける ☆
    山ありて海閑かなり初御空


    落人を名乗り名乗らず冬の山 ☆      大津留 直
    車椅子のブレーキ利かずクリスマス
    少年の傷つきやすさ柘榴の実


    冬の空吾もなくなる途中かな        松本 龍子
    初夢に教えられたる空に逢ふ
    獅子舞の大きな口へ落ちてゆく ☆


    もう一本で滝の凍える釘を打つ       加藤昌一郎
    ジャングルジムくぐりくくって十二月 ☆
    人の気配に仰げば寒夜ジャンボの灯


    捨てがたきものを捨つるや木の葉髪     石田 桃江
    殺生す無農薬白菜の虫 ☆
    花八つ手蹲の水沈みおり


    口中に転がしてみる秋の風 ☆       石母田星人
    爽籟や金平糖の舌ざはり
    王子の目銜へてをりぬ秋燕


    ゆりかもめ孤明歴々として過ぐ       堺谷 真人
    実南天猫になりたき人とゐる ☆
    寒林や一人はぐるゝエキストラ


    スタジアムの先に足あり冬の虹       生田亜々子
    曇天のうち重なりて冬至かな
    明日など知らん私は冬茜 ☆


    冬天の切つさきとなる嗤ひかな       真矢ひろみ
    舟を焼く夕べの冬をほしいまま ☆
    裸木の逆光に佇つ潔さ


    ピラカンサ祈る呼吸の深さかな ☆     毬 月
    枯れ葉風まあるくなりし花灯路
    水音の眠りを繋ぐ冬紅葉


    冬林檎待てば一個が残りけり ☆      石川 順一
    水洟や洗ひざらひをぶちまけやう
    白菜にベーコン混ぜておかずとす


    むらぎものほむらも長谷の紅葉かな     五島 高資
    黄落の流れ出したる車かな
    ともに枯れともに背高泡立草


   原則として句稿到着順。  ☆は、五島高資推薦句。


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