俳句スクエア集・平成22年8・9月号

通 巻 83・84号



 ☆ 指をさす子に習う日や油蝉         珠雪
   蜩や印度音楽共鳴す
   髪つかむ背ナの娘の手や凌霄花な

 ☆ 海鳴りの消しゆくものや雲の峰        朝吹英和
   逝く夏や啓示秘めたる蠍の火
   偶像を砕きし夏の鏃かな

 ☆ 夜蝉のさかさまにいて世界地図        松本龍子
   大仏の右手に余る蛍かな
   ひぐらしを蓄えている砂時計

 ☆ 細胞を帆船の行く晩夏かな        石母田星人
   身をめぐる水と火の音耕衣の忌
   朝霧のたたまれてゐる奥座敷

 ☆ 河童忌の庭木に上り降りられず        服部一彦
   五七五吐いて出て行く心太
   睡蓮や愛欲の刻過ぎゆけば

 ☆ 水芭蕉空底なしに住み処なり        加藤直克
   鷺降りて浅き流れを映しおり
   ぎやまんをもりこぼれたる栃おとめ

 ☆ 駄菓子屋の行きも帰りも雨蛙        石川順一
   油蝉腹をぶつけに急降下
   湯上がりにビールを飲まぬ一家かな

 ☆ 残業を終へて充電みづすまし        毬 月
   夏蝶を乗せし背中や語りだす
   遠花火列車の客や灯りゆく

 ☆ 少しずつ高き岩より飛び込めり        生田亜々子
   きりぎりす生きてる限り前向きに
   サングラス鎧がわりにかけてをり

   竜淵に潜む瓊音ももゆらなる        五島高資
   よみがえる水琴窟の玉響に
   海を来て筑波の道や天の川


 都合により、次回は平成23年1月号・歳旦帖として、〆切りは平成22年12月20日とします。11月末日までのご投句で今回未掲載句については同号に繰り延べて収載の予定です。関係各位にはご迷惑をお掛けして申し訳ございません。何卒、ご海容の程をお願い申し上げます。

   原則として句稿到着順。原句のまま。☆ 五島高資推薦句。


   俳句スクエア集では、皆さんが投稿された俳句を月ごとに掲載致します。

   投稿規定 :  資格は特になし。
         〆切は原則として毎月20日、その翌月号に作品3句を掲載。
         平成23年1月号・歳旦帖の〆切は平成22年12月20日。
         投句数は、一人6句まで。
         掲載の可否は、「俳句スクエア」編集部に一任。
         次回の掲載は、平成22年12月末日頃を予定。
         投句は、俳句スクエア編集部・スクエア集係 へ。
         注・上記以外のアドレスへの投稿は不可。
         なお、必ず題名に「投句」と書いて下さい。

         また、俳句スクエア集に掲載された作品は、
         毎年度末刊行予定の年刊『俳句スクエア集』に
         入集される予定です。
         なお、俳句スクエア賞・同新人賞への応募作品の過半数は
         俳句スクエア集に掲載された作品とします。

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