☆ 二の腕の記憶辿りし朧月 朝吹英和
荊冠の一光点や揚雲雀
鈴懸の花に詩魂の雫かな
☆ 雪解けの水となりつつ水走る 松本龍子
白い月すこし足らぬと猫の恋
恋猫の恋のしみたる欠伸かな
☆ 雪しづく空の重さを最後まで 服部一彦
遠い日も近い日も消し雪一夜
二月尽鯨が森へ戻る頃
☆ 黒松の刺さったままの冬日かな 加藤直克
落日や人に戻れぬ小白鳥
春浅き日光菩薩の眉幽か
☆ 補陀落の海に干し物梅見かな 津山 類
彌生土器へら字のへへへの春の海
この朝に泣き初めましぬ赤い梅
☆ 床の間に置かれある寒怒濤かな 石母田星人
初日射す硯海に犀現るる
わたくしと東風の境の思想かな
☆ 糠みその天地を返し梅の花 更 紗
七回忌星座は春にかたぶきぬ
きさらぎや置屋の隅に猫太り
☆ 春宵の居酒屋に入る宇宙塵 加藤昌一郎
くねくねと曲がり阿弥陀が青き踏む
六道の辻逃げられた風船に遇う
☆ 同じ刻しばらく蝶の水溜まり 毬 月
観覧車歪んでをりし春蚊とぶ
日の暮れの鍵穴に問ふ啄木忌
☆ 喉奥を見せて笑う子春隣り 笑 止
削られて山細々と笑いけり
一輌車花菜畑を探るごと
☆ 東風受けて未来を担う風車かな 石田桃江
かんらんの月の光と咲きにけり
すくと立つ冠水あとの青田なる
びんろうもびろうもやがて冬の星 五島高資
日と月と室の八島の雪けむり
雨脚の音にのみ聞く時雨かな
原則として句稿到着順。原句のまま。☆ 五島高資推薦句。
俳句スクエア集では、皆さんが投稿された俳句を月ごとに掲載致します。
投稿規定 : 資格は特になし。
〆切は原則として毎月20日、その翌月号に作品3句を掲載。
平成22年3月号の〆切は平成22年3月20日。
投句数は、一人5句まで。
掲載の可否は、「俳句スクエア」編集部に一任。
次回の掲載は、平成22年4月1日頃を予定。
投句は、俳句スクエア編集部・スクエア集係 へ。
注・上記以外のアドレスへの投稿は不可。
なお、必ず題名に「投句」と書いて下さい。
また、俳句スクエア集に掲載された作品は、
毎年度末刊行予定の年刊『俳句スクエア集』に
入集される予定です。
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俳句スクエア集に掲載された作品とします。
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