糸蒟蒻が何処かに挟まる日月よ 吾 狼
颱風過わが職階の尽きる位置
颱風の夜叩くキーの虚しき結語
朝虹や帆柱天を突くごとし 牛 若
ひまはりやまはれみぎしておじぎして
広島の叔父は百歳夾竹桃
向日葵やしばし方位を見失ふ 蓼
恋ボートきのふの淵よけふの瀬よ
こころてふ不思議な器官水中花
白南風の梢に届く奥駿河 銀 河
吊りしのぶ軒の深きは母の里
大の字に風わたりゆく夏座敷
遠花火幾重幾重の闇の河 youko oda
干されたる白シャツ鳥の影揺らぐ
風鈴が軒で意地張る午後3時
帷振り払ふ夢に疲れし糠蚊か 毬 月
進む道思ひ直して秋あふぎ
眺めては棚いつぱいに秋の夜
ほうたるの口説を聞かば死ぬもよし 服部一彦
絵日傘の二人鬼出る蛇が出る
核弾頭に艶布巾かけ夏惜しむ
夕闇に吾を定める秋の蝉 露 壜
川端に落果の朽ちる夕月夜
松虫やきらめくものは水たまり
見上げてる青朝顔のつるの先 花 夜
涼風をうけて湖畔で読む女
交差点働く蟻と避暑の蝶
不立文字鱗剥がせし風の盆 津山 類
含羞の翅を休めし秋あかね
戸の軋みガリレオなりし秋初月
恋ふるとは匂ふことかな百合の花 更 紗
志士像の立つ逆光の晩夏かな
疼きをる尻尾の記憶猫じやらし
脳検査前夜蛙と過ごしけり 原 清水
ある日きれいに蝉のやうに死にたし
何万頓水の行ゆきて稲の花
在ることのはかなき重さ遠花火 真矢ひろみ
駅の灯を送り火とせし宵の夢
駅の灯を送り火とせし宵の夢
星間を漂つてゐる桐一葉 石母田星人
口中に転がる地球水の秋
かなかなの満つる海王星を抱く
艮の地より帰る子盆の月 白露子
能を観る髪のウエーブ青蜻蛉
敗戦日たらひの泥鰌きゆと鳴きぬ
一陣の風入り来て汗奪ふ 斎田 茂
鼓笛来や身を翻す踊子草
ギヤマンの影の青さや水の音
羅の女真砂女の割烹着 斎田礼子
タンゴ舞ふ香水瓶のごと捩れ
落し文妹に獄中遺言状
儀杖兵が持つ迎え火の暗さかな 加藤昌一郎
輻射して孔雀が透ける原爆忌
空蝉の夜飛ぶという村眠る
青蚊帳のまんなかまで星満ちて 猿 人
向日葵や月のあかりに乱れけり
終戦日蟻はひたすら餌はこぶ
螢火のときおりわれにかえりたる 五島高資
カノープス沈むあたりの竹を伐る
駈けて来て玉と消えゆく逆の峰
原則として句稿到着順。原句のまま。
俳句スクエア集では、皆さんが投稿された俳句を月ごとに掲載致します。
投稿規定 : 資格は特になし。
〆切は原則として毎月20日、その翌月号に作品3句を掲載。
平成17年10月号への〆切は平成17年9月20日。
投句数は、一人5句まで。
掲載の可否は、「俳句スクエア」編集部に一任。
掲載は、平成17年9月末日頃。
投句は、俳句スクエア編集部・スクエア集係 へ。
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なお、必ず題名に「投句」と書いて下さい。
また、俳句スクエア集に掲載された作品は、
毎年度末刊行予定の年刊『俳句スクエア集』に
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