春の風邪我と汝ともう一人 ☆ 服部一彦
ポニーテール揺れて魚は氷上に
海遠し春の貝塚匂ひけり
spring snow...
having held on to my life,
I let it go ☆ Jack Galmitz
たましいに触れて消えゆく春の雪 ジャック・ガルミッツ
reeds by the sea-
my love left me
my love left me Jack Galmitz
蘆芽や海にさすらう恋心 ジャック・ガルミッツ
spring moon...
I am, tonight,
unprepared Jack Galmitz
今宵ふと我にもあらず春の月 ジャック・ガルミッツ
(邦訳・高資)
下駄箱の砂を払いし卒業日 猿 人
雲ひとつ梅の余白に溶けゆけり
うれしさの底抜けて鳴く恋の猫
犬吠えて小鳥飛び立つ春うらら 節子・ジョンソン
ぶらんこのかすかな揺れや人のゐず
雪解けの水の流れの早さかな
春塵の中を散り散り下校かな 露 壜
いくつかのふるさと消えて花の頃
末黒野や睨み合ひたる烏骨鶏
子守唄海市に浮かふ砂の国 ☆ 伊藤華将
引鶴や忘れ物あり玩具箱
かの国へ持たせたし菜の花茹でる
しゃべりすぎ心の影を鶴に折り 花 夜
さくら湯や今日という味ひとついれ
日の重ね桜餅のよういただきます
菜の花や汽笛は遠くぼうと鳴る ☆ 真矢ひろみ
うぶすなの名で呼ぶ山の笑ひけり
仲春の塵泥にこそ艶あらむ
ありがとう梅いちりんが咲いている 藤代真路
パンジーの手のひらが残った
前傾で走ってしまう春の覇気
黄昏て菓子器に仕舞う梅と鶯 ☆ 加藤昌一郎
もう一本手が生えて春はるごろも
ペンキ塗りたての地雷や緑の日
かげろへる茶杓の細し利休の忌 斎田 茂
蒼天や真紅の梅の確たる座
色褪せし尼門跡の雛飾り
首こきと伸び啓蟄の立居かな ☆ 斎田礼子
春風やざわざわ兆す旅心
ものの芽や梢をリスのひとりじめ
さへづりをゐれたくなりし硝子壜 ☆ 小林 檀
紙飛行機の中に鈍角揚雲雀
水の香にふくらんでくる種袋
春の陰針穴通る青い象 津山 類
胎の児と笑ひあひたり春の昼
冬霧を抜けて白きや柳諸子
逆上がり出来ずに帰る半仙戯 毬 月
ぽつかりと見ゆる空あり春の昼
惜春の箱に最後のひとつかな
くわんおんや春水生るる水の星 白露子
涅槃西風寝そべる犀の太き角
染筆の句を賜りぬ朝桜
朧月ほどけ初めたる木々の魂 ☆ 石母田星人
断食の終り春星燈を攫う
夕風のゑくぼあらはれ雛覚す
朧夜の猫覗き込む三面鏡 更紗
夢路にもあえかに聴こゆ春の雨
囀りや薄茶の沫のくちびるに
泣き上戸笑ひ上戸にさくら咲く 沙羅
花ミモザ高し詩人で蜂飼ひで
火光や修司の名刺修司のごと
そよかぜも海もお山もみているよ ☆ 小林こだん
やまとそらきらきらひかっていいきもち
ぼくじょうでいっぱい牛さん草食べた
原則として句稿到着順。なお、☆は五島高資の推薦句。
投稿規定 : 資格は特になし。
〆切は毎月20日として、その翌月号に作品3句を掲載。
平成16年5月号への〆切は平成16年4月20日。
投句数は、一人5句まで。
掲載の可否は、「俳句スクエア」編集部に一任。
投句は、俳句スクエア編集部・スクエア集係 へ。
また、俳句スクエア集に掲載された作品は、毎年度末刊行予定の
単行本『俳句スクエア集』に入集される予定です。
なお、俳句スクエア賞・同新人賞への応募作品の過半数は
俳句スクエア集に掲載された作品とします。
ご注意 : スクエア集係(squareshu@yahoo.co.jp)宛て以外への投句は無効です。また、掲載句の著作権は作者に存しますが、作者が「俳句スクエア」へ投句した時点より、出版権設定契約が成立し、掲載句の出版権は「俳句スクエア」に存することとします。
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