樹氷離れむ君の手を掴む ☆ 轟 俊
時雨忌や桜田門を潜りける
白鳥の時雨心地や堀に棲む
方丈に足袋半睡の白さかな ☆ 服部一彦
近き日も遠き日も去り寒に耐ふ
十一月祝詞とおもふ独り言
星屑を入れる篭あり樅に雪 ☆ 津山 類
青写真一線入れるユリカモメ
火吹竹狼の赤目濡らせけり
ゆったりと進む雲なり枯木立 露 壜
路地の角分身あまた冬の月
群れとなりまた逸れる雲や竜の玉
ゴンドラにベニスの商人冬三日月 伊藤華将
落ち着かぬ11月の寒暖計
姿身の鏡の裏の落葉かな
爆心地片肺さする懐手 藤代真路
ビル間から山々深き張力なり
痛ましい右腕に咲くポインセチア
紛れなき不在証明龍の玉 ☆ 朝吹英和
声明の左脳に沁みる霜夜かな
影長きパントマイムや冬の水
冬の蝶影に遅れてよぎりけり ☆ 石母田星人
一塊の枯葛に語彙籠りゐる
黒海鼠三世を辿る重さかな
マンモスは解凍中ぞ去年今年 ☆ 加藤昌一郎
湯気立てて因数分解年忘れ
三猿の手話死後のこと鬼火のこと
凍鶴や争ひ絶えぬ水の星 白露子
雪はげし天の呪文の如激し
金色の立体曼荼羅去年今年
戻るべき寒灯百窓にまぎれをり ☆ 沙 羅
極月やタオルに日々のデスマスク
溶けてゆく思惟柚子湯に半跏趺坐
極月の金貨の裏の女神かな 小林 檀
真新し靴下飾りクリスマス
おほどかに腹の鳴りたる明の春
山眠りランプのごとく月が居り ☆ 猿 人
楽しみはしずかにつもれ雪の声
言いたくて言いだしかねて蜜柑むく
南天や冬の空間にぐんとあり 花 夜
初蝶やかくれて休む岩のかげ
朝見れば野沢菜おおう初の雪
冬景色夫には囲碁あり妻には妻の 白 梅
漬物の共同作業に歯車かたり
空ながむ星はまたたきただ光り
大好きな声に触れてる冬の暮 桜川こういち
影一つ二つ三つと日向ぼこ
突き抜けるメロディーライン冬の雲
原則として句稿到着順。なお、☆は五島高資の推薦句。
投稿規定 : 資格は特になし。
〆切は毎月20日として、その翌月号に作品3句を掲載。
2月号への〆切は平成16年1月20日。
投句数は、一人5句まで。
掲載の可否は、「俳句スクエア」編集部に一任。
投句は、俳句スクエア編集部・スクエア集係 へ。
また、俳句スクエア集に掲載された作品は、毎年度末刊行予定の
単行本『俳句スクエア集』に入集される予定です。
なお、俳句スクエア賞・同新人賞への応募作品の過半数は
俳句スクエア集に掲載された作品とします。
ご注意 : スクエア集係(squareshu@yahoo.co.jp)宛て以外への投句は無効です。また、掲載句の著作権は作者に存しますが、作者が「俳句スクエア」へ投句した時点より、出版権設定契約が成立し、掲載句の出版権は「俳句スクエア」に存することとします。
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Copyright (C) Takatoshi Gotoh 1998.3.1